売りたいものと売れるものとは?

コンサルタントとしての私の得意分野の一つは、分析と人材育成である。

とあるクライアントの売りたいものと売れるものの違いを理解してもらう時の話であるが、そのクライアントは売りたい商品の価値をストーリーだてていて、それを聞けば読めば納得の物であった。



しかしながら売り上げになかなか直結しない。



商品に対する思いが強いため、一所懸命に価値の表現やブランディングが悪いのではないかと改善に努力する。努力を惜しまない姿勢は素晴らしい。

でも売れない。



様々な取り組みもPDCAで回す。どんなに頑張っても結果が出ない。諦める様子は全くうかがえなかったが、疲弊する姿はやはりいたたまれない。

何を努力するかも大事だが、どこで努力するのかというアイデアを提案した。マーケットが求めていない物を一生懸命セールスしていくことほどナンセンスなものはない。以前の日記にも記したが、私が社内の人間であればこの点を鋭く刺せなかったであろう。私が独立した理由はここにある。



だから私はそこを刺した。


刺して1年、売り上げは倍に膨れ上がった。会社を営んでいく分には十分すぎるぐらいではあったが、そこにクライアントの商品の存在意義をクライアンント自信が見いだせなかった。ここからまだまだクライアント自身の戦いは続く。

何をしたかは明白で売れるものも取り扱っただけだ。私の目標はクライアントが売りたい商品が売り上げ3割を占めていれば十分ブランドイメージを壊さず運営できるんだということを理解させることだった。3割という構成比を選んだのは私の一番得意な分析結果であるが、そこについては今回は触れない。

そのクライアントのお店は、今では当時の3倍にまで膨れ上がっている。その中で、クライアントもようやく売りたい商品のポジショニングに納得してきた。

今回のケースでは売りたい商品がそのマーケットで売れる金額、個数、シェアはすでに取れていたということになる。なぜならさらに7割の売り上げを立てても影響されなかったからだ。もっと言ってしまえば出店場所が、狙うマーケットがコンセプトとずれていた、とも言える。

人材育成も得意分野と伝えたが、教育マニュアルとかそんなものを作るのが生業ではなく、意識改革、そんな立派な言葉で表現するのもおかしいが、分析結果をもとに5W1Hで動く仕組みを作るのが得意なだけ。

努力の結果、失敗でもそれは糧になる、という言葉面はいいが、実績になかなか結び付きにくいことばかりではなく、数字という絶対にうそをつかない、裏切らない指標をうまく使って可能性を上げた方が早い。時間だけは平等だから。

思い描いたような方策ではなかったかもしれないが、結果としては大きく飛躍した。まだまだ新規出店が決まっている元気な会社である。

あくまで成功例の1つでこのやり方がすべてではない。しかしながらクライアントがプライド、思い、こだわり、そんな類の何かを捨てなければならないことに行きつくまで、頑張ることができたことは全力で褒めたいし感謝もしたい。